心配事があるときにどうしたらよいか

心配事という言葉には、心に掛けて思い煩うこと、不安に思うこと、これから先のことが気懸りで心を悩ませるという意味があります。
この点で心配事のない人は1人もいないのではないでしょうか?
「終わりの時代は困難で危機的な時になります」。
(テモテ第二3:1)
それで沢山の不安、心配事があると思います。

例えば、物価が上がっています。
電気、水道、ガスなどの光熱費も上がっています。
買い物に行くと精算の時、前と比べるとだいぶ値段が上がっているといつも感じるのではないでしょうか。
うまい棒が以前は10円でしたけれども12円に値上がりし、今度は15円になると言われています。

私は至って健康ですと言える人は少ないのではないでしょうか。
大なり小なり健康の問題を抱えています。
病気が重篤であれば心配や不安は増していきます。
自分だけではなくて、家族とか周りの人も心配になります。
今は高齢化社会ですから、介護の問題もあります。

地球の温暖化というものもあります。
今年は本当に暑かったと皆さん感じているのではないでしょうか。
猛暑とか酷暑という本当に暑い日々を過ごしました。
自然災害も増えています。
地震とか津波とか豪雨災害というのもあります。
石川県の能登地方では、1月に大地震があって被害を受け、
仮設住宅に移動した方もいましたけれども、
また9月に豪雨災害がありました。
床浸水をしてしまったという人もいました。

家族の問題などで心配することもあるかもしれません。
ネガティブな感情と闘っている人もおられます。
理由は人によって様々かもしれません。
ではその心配事を私たちどうしたら良いのでしょうか?

「心配事を全て神に委ねましょう。
神は優しく気遣ってくださるからです」。
(ペテロ第一5:7)

心配事を全部神に委ねることができるということです。
エホバ神は私たちを優しく気遣い、心配事に押し潰されないように助けてくださるということです。
エホバがどのように助けてくださるのか、そして私たちはどのように行動することができるのかを考えていきたいと思います。

1.神は平和な心を与えてくださる

「何も心配せず,いつでも祈り,祈願を捧げ,
感謝しつつ,願いを神に知っていただくようにしましょう。
そうすれば,神からの平和が,
キリスト・イエスを通して皆さんの心と考えを守ります。
その平和は人間の理解をはるかに超えています」。
(フィリピ4:6,7)

心配事を全て神に委ねることができます。
気懸りなことそしてどんな気持ちでいるかということを祈って神に伝えたいと思います。
そうするならばどうでしょうか?
「人間の理解をはるかに超えている」という表現は、私たちのあらゆる夢より素晴らしいとか人間のあらゆる計画より優れたと訳されます。
パウロは神の平和が想像をはるかに超えた 素晴らしいものであると言っていたのです。
人間の目には出口がな見えない状況でも、エホバは解決策をご存知で、私たちの思いもよらない仕方で行動してくださるということです。
エホバは、平和な心を与えてくださるということです。

「力を与えてくださる方のおかげで,
私は強くなり,どんなことも乗り越えられます」。
(フィリピ4:13)

試練に耐えられるよう必ず強くしてくださることを理解することができます。
状況を変えてくださることもあるということです。

ただじっと待ってれば良いというものではありません。
祈りに調和して行動する必要もあります。
行動することは誠実さの表れであって、神は誠実な人の祈りを祝福されます。
エホバは私たちの願いや計画や期待をはるかに超えたことを行ってくださる方です。
思いもよらない方法で助けられた経験ももしかしたらあるかもしれません。

「重荷をエホバに委ねよ。そうすれば支えてくださる。
神は正しい人が倒れることを決して許さない」。
(詩編55:22)

本当に重すぎて持てないという時、誰かに手伝ってもらうと軽くなります。
重荷を全部エホバに委ねることができます。
「委ねる」というのは、すっかり任せる、全てを捧げるという意味があるようです。
祈って良いものが与えられたならば、ノートに記しておくこともできるかもしれません。
そうするならば、その感謝は一層深まるに違いありません。
感謝して祈っていきましょう。
そうすれば、神は平和な心を与えてくださるでしょう。

2.神は慰めと導きを与えてくださる

「心配事で圧倒されそうな時,
あなたは私を安心させ,落ち着かせてくださった」。
(詩編94:19)

心配事で圧倒されそうな時が皆さんもあるかもしれません。
そういう時、安心させ落ち着かせてくださることがわかります。
どのように、その慰めとか導きを与えてくださるのでしょうか?

神の考えが記された本聖書を読むと慰めが与えられますし、導きも得られます。
聖書には、心配事を抱えた時に神に慰められた記述が沢山載せられています。
例えばハンナ、エリヤ、ダビデの例を思い起こすことができます。
ダビデの例を挙げてみたいと思います。

「苦難の時に私はエホバに呼び掛けた。
私の神に助けを求めて叫び続けた。
神殿にいる神が私の声を聞いてくださった。
助けを求める叫びが神の耳に届いた。
…神は私を安全な場所に連れていってくださった。
私のことを喜び,助け出してくださった」。
(詩編18:6,19)

これはサウルと全ての敵の手からエホバに助け出された日に、
ダビデがエホバに向かって歌った歌です。
ダビデは夜通しエホバに祈ったこともありました。
ゴリアテと対戦した時も、エホバに祈って対抗していきました。
いつもエホバに祈って頼っていたことがわかります。

このように心配した時には、
慰められた聖書の記述を読むことができるでしょう。
聖書を読むと、神に愛されていることを確信することができます。
雀二羽よりも私たちのことを本当に気遣ってくださいますし、
髪の毛も全ての本数を数えておられると書かれています。
そうならば、全ての人の心も守ってくださっていることがわかります。

「あなたの言葉は私の足元を照らすランプ,
私の進む道を照らす光」。
(詩編119:105)

聖書は2つの光に例えられています。
まず「足元を照らすランプ」。
それは私たちの生活に役立つ沢山の良い原則とか律法とか
様々なものが私たちの益となっています。
さらに「進む道を照らす光」。
将来の祝福、地上の楽園で永遠に生きられるといった
素晴らしい目的を私たちに啓示してくださっています。

聖書はバランスの取れた賢い決定をするためのガイドブックと言えるでしょう。
重大な決定をするときには、
聖書に沿ってどんな考え方をしたら良いかを確かめる必要があります。
そのような時は自分で調べるか、
経験あるクリスチャンに尋ねてみると良いかもしれません。
「助言者が多ければ達成される」と述べられているからです。
(格言の書15:22)
では自分にできることを一生懸命行い、あとはエホバに任せていきたいと思います。
そうすれば神は、慰めと導きを与えてくださるでしょう。

3.神は必要なものを与えてくださる

私たちには衣食住とか必要なものがたくさんありますが、
その必要なものを与えてくださるのでしょうか?
与えていただくためにはどのようなことが必要なのでしょうか?

「王国と神から見て正しいこととをいつも第一にしなさい。
そうすれば,こうしたほかのもの全ても,
あなたたちに与えられます。
それで,次の日のことを決して心配してはなりません。
次の日は次の日で心配する事があります。
その日の問題は,その日だけで十分です」。
(マタイ6:33,34)

衣食住とか必要なものを得るには何が必要でしょうか?
神の望むことを生活の中で第一にするならば、必要なもの全てを与えてくださると神は述べているのです。
エホバに助けを求めながら、その日その時の問題に取り組んでいきたいと思います。
助けを求めたなら、努力することも必要です。
そしてエホバが与えてくださるもので満足することもできます。
聖書の中では「今あるもので満足しましょう」
神は「私は決してあなたを離れず、決してあなたを見捨てない」とも述べているからです。(ヘブライ13:5)

また、イエスは心配しすぎてはいけないとも教えられました。
生活のことでイエスは「心配するのをやめなさい」と述べられました。 (マタイ6:25)
つまり明日のことを心配し過ぎて今日の生活を楽しめないという事態に陥ってはならないことを述べられました。

このイエスのアドバイスに従うのはとても賢明なことです。
ある参考文献によると、
人は過度に心配すると交感神経系が絶えず緊張した状態になり、
それが潰瘍や心臓病や喘息などの疾患を引き起こすと述べられています。
過度の思い煩いをぜひとも避けるべきなのは、思い煩っても意味がないからです。
どれほど心配しても、生活を良くするどころか寿命を伸ばすことさえできないのです。(マタイ6:27)
それに、心配した通りにはならない場合が少なくありません。
ある学者は「将来を心配するのは無駄である。今心配してるほど悪くはなることはまずはない」と述べています。
あまり思い悩まないようにしていきたいと思います。

ではどうすればこの思い煩いを避けることができるのでしょうか?
1番目の点は、神を信頼することです。
聖書の中で神は鳥に餌を与え、花には美しい装いをさせていると述べています。
神は鳥とか美しい花も養っておられるわけです。
私たちが生活の中で神への崇拝を第一に優先するならば、神は必要なものを備えてくださると述べていますから、
それらを私たちは信頼していきたいと思います。

思い煩いを避ける2番目の点は、1日1日を乗り切ることです。
イエスは「次の日のことを決して心配してはなりません。
次の日は次の日で心配することがあります」と述べています。
その日の問題はその日だけで十分だと思わないでしょうか。
心配しすぎても、何も得るものはないということです。
もしかしたら、神に心を向けられなくなることを心配することが必要かもしれません。

4.神は優しい仲間を与えてくださる

「真の友はどんな時にも愛を示す。苦難の時に頼れる兄弟である」。
(格言の書17:17)

王国会館での毎回の集会で愛を皆さんも示し続けてくださっています。
エホバは本当に優しい仲間を会衆にも与えてくださっています。
エホバに仕える人々の中に、あなたのことを心から気に掛ける真の友を見つけることができるでしょう。

「心配事があると心が沈み,良い言葉によって心が晴れる」。
(格言の書12:25)

心配事があると心は沈むものです。
しかし愛する仲間の良い言葉によって心が晴れ晴れとなることを
皆さんも経験しているのではないでしょうか。
愛する仲間が私たちを気遣ってくださることは元気が出ます。
信頼できる友達に気持ちを聞いてもらうならば、本当に気持ちが楽になるかもしれません。
ではそういった仲間に気持ちを打ち明けていきたいと思います。
さらに王国会館の集会に行くと、励まされるのではないでしょうか。

「また,互いのことをよく考えて,
愛を表し立派な行いをするよう勧め合いましょう。
仲間と集まることを怠ってはなりません。
よく欠席する人たちに倣わないようにし,
いつも励まし合いましょう。
定められた日が近づいているのですから,
ますますこうしたことを行っていきましょう」。
(ヘブライ10:24,25)

王国会館の集会に行くと互いに励まし合えて、元気が出るのではないでしょうか。
こうして顔を合わせて話すならば元気が出るということです。
病気や怪我などで王国会館に来ることができない方もいらっしゃると思います。
でもZOOMで集会に出席することができるのも幸せなことです。
もしできるのであれば、直に行われる集会に出席することによって、
お互いに話をしたり握手したりして、励まし合うこともできるということです。
そうした言葉によっても励まし合い続けていきたいと思います。
最近聖書に興味を持って集会に出席されている方もいらっしゃいます。
ぜひ会衆の兄弟姉妹と親しくなるようにしていただきたいと思います。
そして励まし合っていきたいと思います。

今は本当に心配事が多い時代です。
けれどもエホバは次のように約束しています。

「恐れてはいけない。私があなたと共にいる。
心配してはいけない。私があなたの神である。
私はあなたを強くし,必ず助ける。
私の正義の右手であなたをしっかりと支える」。
(イザヤ41:10)

エホバがあなたと共にいてくださいます。
心配しないでくださいと述べています。
全知全能の神が共にいて強くし、必ず正面に向いて助けてくださると述べています。心強いではないでしょうか。

神は、平和な心を与えてくださいますし、慰めと導きも与えてくださいます。
さらに必要な物を与えてくださっています。
さらに愛する優しい仲間も与えてくださっています。
本当にそれは喜びではないでしょうか。

エホバを信じ信仰を強めるために、私たちはできることをなんでもしていきたいと思います。
 

「神に近づいてください。
そうすれば,神は近づいてくださいます」。
(ヤコブ4:8)

 皆さんが エホバに1歩近づくならば、神も近づいてくださいますから、その距離はどんどん近づいて、一層親密なものとなっていくことでしょう。
ではこれからもエホバの助けを活用してまいりましょう。
そうすれば、これからもエホバの助けを身近に感じることができるでしょう。