家族のコミュニケーション どうすれば良くなりますか

家族が幸せになるために必要なもの、それは何でしょうか?
それは、敬意を込めて親切に本当の気持ちを伝え合うことです。
しかし近年では、不仲ではないけれども、家族との会話が続かない家庭が多くなっているようです。
皆さんの家庭ではどうでしょうか?

家族がコミュニケーションを取りにくくなる理由は色々あります。
例えばスマートフォンや電子機器に夢中になっていて、
とても良いコミュニケーションが取れる雰囲気ではありません。
他にも、忙しすぎて話す時間がないという場合や、
あまり話すことが好きではないという性格の問題もあるかもしれません。

「家庭は知恵によって築き上げられ,識別力によってしっかりする」。
(格言の書24:3)

知恵の源であるエホバの言葉聖書が勧める通りに行っていくならば、
家族のコミュニケーションというのは良くなっていき、絆が強まっていきます。
聖書の中にはどのような知恵が含まれているのでしょうか?
今日は夫婦親子家族という3つの分野で考えてみましょう。

まず夫婦のコミュニケーションについて考えてみたいと思います。

一般的に男性と女性のコミュニケーションのスタイルというものは異なります。
聖書の創世記2章18節によると、
エホバ神は女性を男性を「補って助ける」人として造られました。
個人差はありますが、一般に女性は
自分の気持ちや他の人のことや人間関係について話すことが好きで、
温かい親密なコミュニケーションを大切にします。
それによって自分が愛されていることを実感することができます。
一方多くの男性は、自分の気持ちではなくて何かの活動、
生じている問題、解決策について話すことを好みます。
そうすることによって、自分は役立っている、頼りにされていると感じることができます。
そのようにして妻から敬意を示されたいとも思っています。

イギリスのある女性は
「夫は私の話を聞くよりもすぐに問題を解決したがります。本当にイライラします。
話を聞いて私の気持ちをわかってくれるだけでいいのに」と述べています。
またある夫は「私には妻の問題を何でもすぐ解決したがる
傾向がありました。でも、妻はただ話を聞いてほしかったのだ
ということがわかりました」と言います。
同じように感じている夫や妻というのは多いかもしれません。
では妻が愛されていると感じるように、
夫の皆さんはどのようなことができるのでしょうか?

「同じように,夫の皆さん,知識に基づいて妻と暮らしてください。
 女性はより繊細な器ですから,妻を大切にしましょう。
 妻たちも皆さんと一緒に,命という惜しみない恵みを受けるのです。
 妻を大切にするなら,祈りが妨げられることはないでしょう」。
  (ペテロ第一3:7)

女性が「より繊細な器」であると述べられています。
本当に大切にしていることがわかる仕方で、
妻の話を聞いてあげたいと思います。
洞察力のある夫は、
妻の気持ちを汲み取ってそれに応じて接し方を変えるように努めます。
妻の考えや気持ちが自分にとても大切だということを示すことによって、
妻を安心させることができます。

「適切な時に話される言葉は,銀の器の中の金のリンゴのようだ」。
(格言の書25:11)

必要な時に慰めの言葉をかけるということは、
本当に魅力的で美しいものとなって、
妻を本当に大切にしているということを伝えられます。
聖書の中には、そのように慰めた夫の例が載せられています。
エルカナは、妻ハンナが苦しんでいることに気付いた時に慰めの言葉をかけました。
ハンナは夫に本当に愛されているということを
感じることができたに違いありません。 (サムエル第一1:4-8)
では妻が夫とコミュニケーションを取る際に、
聖書はどのようなアドバイスを載せているでしょうか?

「口を開く時には賢く語り,いつも親切の律法に従って話す」。
(格言の書31:26)

話をするときには言葉を賢く選んで、口調に気を付けつつ、
敬意を込めて率直に気持ちや願いを伝えることができます。
そのようにした女性の模範として、
イサクの妻リベカの例が聖書の中に記されています。
リベカは息子のヤコブが妻とする女性について、
イサクに本当の気持ちを伝えました。
(創世記27:46)
その気持ちを受け止めてイサクは行動し、
ヤコブに妻を選ぶ際の指示を与えています。
(創世記28:1,2)
リベカがイサクに敬意を込めて話したので、
イサクも妻の話によく耳を傾けることができたに違いありません。
この例は、妻の気持ちを受け止めて行動するという点で夫の手本ともなります。
夫と妻が互いに相手の見方を理解するように努め、
夫婦双方が男性と女性の聖書的な役割を理解してその価値を認めていくならば、
人の結びつきというものはこの上なく麗しいものとなるに違いありません。

しかしこのように本当に心を通わせていくには時間が必要となります。
夫婦で会話をする時間を、きちんと取ることができているでしょうか?
夫婦で一緒の時間を過ごすことが難しく感じているという人は少なくないようです。
夫婦で一緒に 過ごす時間を確実に取るために、どんなことができるでしょうか?

一緒に過ごす時間を前もって決めておくことができるかもしれません。
夫婦も妻もやるべきことがたくさんあります。
でもその中で夫婦で一緒にできることが何かあるでしょうか?
例えば一世紀のクリスチャン夫婦アクラとプリスキラのように、
一緒に伝道に出かけることができるかもしれません。
アクラとプリスキラは仕事も一緒に行っていました。
もちろん全ての夫婦が同じ仕事をしているわけではありません。
でも家事を一緒に行うことができないでしょうか。
お互いに助け合って行っていくならば、
会話も増えチームとしての一体感が強まっていきます。

夫婦の中でコミュニケーションが取りにくく感じるのは、
何か問題が生じた時かもしれません。
問題が起きても良いコミュニケーションを取っていくには、
どのような性質が必要となるでしょうか?
結婚して11年になるある男性はこう述べました。
「意見の違いを解決するための最速の手段は謙遜さです。
謙遜であればごめんなさいと言えるからです。
一方、誇りが和解をもたらすことは決してありません。
謝罪する気持ちも勇気も取り去ってしまうので、
コミュニケーションは阻まれてしまいます。
誇り高い人は、 ごめんなさいというのではなく言い訳をしてしまい、
自分の弱点を認めるのではなく人のせいにしてしまいます。
誇りは結婚生活のの取りとなるのです」。

「神は傲慢な人に敵対し,謙遜な人に惜しみない親切を
示してくださる」と聖書は述べています。(ヤコブ4:6)
問題が生じた時にはすぐに誤ってすぐに許すことを心掛けるようにいたしましょう。

「それで,皆さんは神に選ばれ,神に愛される聖なる人たちですから,
 温かい思いやり,親切,謙遜さ,温和,辛抱強さを身に着けましょう。
 引き続き互いに我慢し,寛大に許し合いましょう。
  たとえ誰かに不満を感じるとしてもです。
 エホバが寛大に許してくださったのですから,
  同じようにしなければなりません」。
 (コロサイ3:12,13)

謙遜であれば、事態を悪化させないように、
自分ではなくて問題に焦点を合わせるようにします。
そしてエホバに倣って、互いに辛抱強く我慢し、寛大に
許し合うことによって互いの絆を強めていくことができます。

続いて、親子のコミュニケーションについて考えていきたいと思います。

子供が何でも話せる親というのは理想的です。
ある調査によると、子供たちが挙げた親への不満の中で最も多かったのは、
話を聞いてくれないということでした。
親も子供について同じ不満を漏らしているようです。
コミュニケーションのパイプが詰まらないようにするために、
家族が互いの話を真剣に聞くということは絶対に必要なことです。

「私の愛する兄弟たち,覚えておいてください。
 皆が,人の言うことに進んで耳を傾けるべきです。
 すぐに話したり,すぐに怒ったりしてはなりません」。
 (ヤコブ1:19)

疲れていたり、子供の話が他愛もないものだと思ってしまうと、
話を真剣に聞くことは簡単なことではないかもしれません。
他愛なく思えても子供にとっては非常に大切なことかもしれませんし、
子供に合わせてあげるということは本当に大切なことです。

「父親の皆さん,子供をいらいらさせて
 気落ちさせることがないようにしてください」。
(コロサイ3:21)

父親とありますが、母親にも当てはまります。
子供は親から愛されていない大切にされていないと感じる時、
特にイライラするものです。
ですので、子供の悩みを軽く見ないようにしてください。
子供が何を言っても、すぐに話したり怒ったりしないで、
落ち着いて対応するようにいたしましょう。

特に子供が思春期になると、
コミュニケーションの壁は一層高くなる傾向があります。
メキシコのある親は「以前は問題なく息子と話せました。
しかし、主人も私も16歳になった息子が何を考えているのか
よくわかりません。自分の部屋に閉じこもって、
私たちとほとんど口を聞かないんです」と述べています。
思春期の子供を育てている親や育てたことのある親の皆さんは、
このようなことを経験したことがあるかもしれません。
思春期になると自分のことを知らせるのが難しいことがあります。
専門家によると、非常に外交的な子供であっても、
思春期になると急に内気になる場合があるということです。

また若者の自立心というものもあります。
成長の過程には親離れというものが伴います。
親離れの過程は、一人前になる何年も前から始まります。
多くの若者は成熟の途中で、物事を自分で考えてから
他の人に話したいと思うようになるのです。

「人の心の考えは深い所にある水のようだ。
 識別力のある人はそれをくみ上げる」。
 (格言の書1:5)

子供の発する言葉だけではなくて、言い方にも注意を払うようにいたしましょう。
声の調子や身振りというのは、子供の気持ちを知るヒントとなります。

思春期の子供は、断定的な言い方をすることがよくあります。
例えば「いつも子供扱いする」とか「全然話を聞いてくれない」
などと言うことがあるかもしれません。
「いつも」とか「全然」という表現の不正確さを指摘するより、
この言葉を額面通り受け取らないように注意したいと思います。
「いつも子供扱いする」というこの言葉の裏側には、
「信頼されていないように思う」
という意味が含まれているのかもしれません。
「全然話を聞いてくれない」という言葉には、
「本当の気持ちを話したい」という意味があるかもしれません。
この言葉の背後にある気持ちを見分けるようにいたしましょう。

思春期の子供は特に、打ち溶けた雰囲気だと本当の気持ちを話しやすくなるようです。
ある若い女性は次のように述べています。
「10代の人たちは大抵、親のアドバイスが欲しいと思っています。
でも親が真面目に聞いてくれないと、ほかの人に話したくなります。
経験のない人でも構わないんです」。
親は自分ではなく友達に相談してみようと子供たちに思わせたくはないことでしょう。
そうであるなら、近づきやすくて話しやすい親になるよう努めていきたいと思います。
そのために、忙しくても子供との会話をまず取ることを心掛けるようにしましょう。
「時間を有効に使ってください」と述べられています。
(エフェソス5:16)
テレビやスマートフォンなど電子機器に時間が奪われないように制限を設けたり、
一緒に食事することを取り決めることができるかもしれません。

親は子供との時間をしっかり取り、進んで耳を傾けることによって、
子供との良いコミュニケーションを行っていくことができます。
一方、子供たちにはどんなアドバイスがあるでしょうか?

「賢い人は聞いてさらに教えを受け,
 理解力のある人は的確な導きを得る」。
 (格言の書1:5)

親というのは子供の幸せをいつも願っています。
親にも子供だった時代があります。
もしかすると今自分が経験しているようなことを以前親も経験していたかもしれません。
若い時の失敗を後悔していて、
子供には同じ間違いをさせたくないと強く願っているに違いありません。

時に親は分かってくれないと感じることがあったとしても、
その考えや気持ちを伝えてみてください。
親には子供を訓練する責任が神から与えられています。
ですので時には厳しいと感じることがあるかもしれません。
けれども、親は敵ではなくていつでも味方です。
親の話をよく聞いて敬意を込めて話していくならば、
話を聞いてもらいやすくなることでしょう。

親である人たちもまた子供の皆さんも、
互いに話をよく聞いて敬意を込めて話すことによって、
コミュニケーションをより良いものとすることができます。

では3つ目の分野、家族としてコミュニケーション
を良くしていくためにどんなことが役立つでしょうか?
 

「私が今日命じるこれらの言葉があなたの心に入っていなければなりません。
 あなたはその言葉を自分の子にしっかり教え,
 家で座るときも,道を歩くときも,寝るときも,起きるときも
 それについて話さなければなりません」。
 (申命記6:6,7)

親に向かって、エホバの言葉があなたの心に入っていなければならない、
その言葉を子供たちの心にも入れるようにと書かれています。
聖書の神エホバを家族で一緒に崇拝していくならば、家族の絆は強まっていきます。
毎週定期的に行う家族の崇拝は、
家族のコミュニケーションをより良くする最も優れた時間となります。
中立やいじめ、デートや祝祭日についてなど、問題になりそうな状況を想定し、
どのように対応したら良いか考え、練習することもできます。
学校で難しい問題が生じる前、また学校の友達の間違った見方をした情報が入る前に、
親が子供に聖書からの正しい情報を教えるのは、
この家族の崇拝が良い機会となります。
そうするならば子供も、
信頼できる聖書と親からの正確な知識によって守られることでしょう。
家族の崇拝で集会の予習を行うならば、
家族で集会に行くだけでなく、集会でコメントすることによって参加し、
より一層エホバを崇拝する喜びを得ることもできます。

また家族のコミュニケーションをよくするために、
家族で遊ぶ時間というものも大切にしたいと思います。
「何事にも時がある」と書かれています。(伝道の書3:1)
家族で楽しい時間を過ごすために、
どんなことができるでしょうか?
博物館や動物園それに似たような場所を訪れるならば家族全員が楽しむことができます。
またテレビを消して歌ったりゲームをしたりして時間を用いていくならば、
家族はより一層親しいものとなっていきます。

今日考えたアドバイスというのは、家族という組織の創設者である
エホバ神の知恵の言葉、聖書からのものでした。
ですので家族の中にエホバに仕えていない人がいるとしても、
エホバに仕えている人たちが
聖書の考えを意識して生活していくならば、
家族全体のコミュニケーションは良くなっていきます。

「私はあなたに洞察力を与え,進むべき道を教える。
 あなたに目を留めて助言を与える」。
(詩編32:8)

エホバは洞察力や助言によって私たちを助けてくださり、
必ず幸せにしてくださいます。
エホバを信頼して、どんな壁があるとしても
エホバからのアドバイスを当てはめて、
家族のコミュニケーションを向上させる努力をし続けましょう。
そのような努力をエホバが祝福してくださいますように。

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