今日、多くの人が自分と家族の安全を心配しています。
人々が安心感を抱けないのはなぜでしょうか?
もしかするとポリクライシスという言葉をお聞きになったことがあるかもしれません。
複数の世界的な危機が絡み合って、私たちの生活に大きな影響を及ぼすという意味があります。
次々と不安になる出来事が起きています。
自然災害、感染症などの疫病、凶悪な犯罪が起きています。
恐ろしいテロ、戦争が起きています。
核兵器を開発する国が増え、私たちの安全が脅かされています。
今年の初めには石川県の能登半島で大きな地震があって、大きな被害がありました。
この先もっと大きな地震があって、私たちの生活に大きな影響を及ぼすのではないかと心配しておられる方も多いかもしれません。
問題の多いこの世界にあっても安心感を抱ける、そのような道があるでしょうか?
今日は、私たちの生活するこの世界が安心感を抱けないのはなぜか、そしてこの世界にあってもどこに安心感を生み出せるのか、ご一緒に聖書を開いて考えてみることにいたしましょう。
1800年代末に聖書研究者たちは、1914年が重大な年であることを理解することができました。
聖書に基づく正確な年代計算を通して、1914年という年を境に終わりの時代と呼ばれる特別な時代に入ることを理解できたわけです。
興味深いことに一般の歴史家たちも、1914年が人類史上の転換点であったっていうことを認めています。
1914年を境に、世界ではどのような出来事が起きるようになったでしょうか?
最も偉大な人として知られているイエス・キリストは、今の私たちの時代に、人々の心から安心感を奪うような様々な出来事が生じることを予告しておられました。
「イエスがオリーブ山の上で座っていると,
弟子たちが自分たちだけで近づいてきて,言った。
『教えてください。そのようなことはいつあるのでしょうか。
あなたの臨在と体制の終結のしるしは何ですか』。
そこでイエスは言った。
『…あなたたちは戦争の音や戦争の知らせを聞きます。
動揺しないようにしなさい。
これらのことは必ず起きますが,終わりはまだなのです。
国民は国民に,王国は王国に敵対して立ち上がり,
あちらこちらで食糧不足や地震があります。
これら全ては苦しみの激痛の始まりです』」。
(マタイ24:3,6-8)
イエスは戦争の音や戦争の知らせを聞きます。国民は国民に王国は王国に敵対して立ち上がりますと語られました。
福音書筆者の1人であったルカも平行記述の中で、私たちが戦争や騒乱について聞くというイエスの言葉を引用しています。(ルカ21:9)
イエスの予告された通りになったでしょうか?
1914年以来、戦争、革命、国内紛争、テロなどが珍しいことではなくなってきました。
それによって多くの人の命が失われてきました。
かつては比較的安全と言われていた国においても、今ではテロの脅威と日々戦っているところもあります。
地球上のどこにいる人も、自分や大切な家族が大変な出来事に巻き込まれてしまうのではないか心配しながら生活しています。
最初の世界大戦は、1914年に勃発しました。
この戦争は単なる二国同士の軍隊の争いではなく、いくつもの国家が民間人を含め国民全体を巻き込んで行った戦争でした。
確かに1914年に地上から平和が取り去られたと言うことができます。
最近でもロシアとウクライナ、イスラエルとガザにおける戦争の知らせを聞くと、私たちは本当に不安な気持ちになります。
でもイエス・キリストは「動揺しないようにしなさい」という興味深い言葉を述べられました。
問題の多いこの世界にあっても安心感を抱けることを教えてくださいました。
しかし、動揺することのないそのような穏やかさは、イエスの言葉を理解する人だけが味わうことができるものです。
7節にもう一度注目しますと「あちらこちらで食糧不足や地震がある」と予告されています。
今日、お金や土地がないため戦争の後遺症のために、自分の家族を十分に養えない人が少なくありません。
何億人もの人々が慢性的な飢えに苦しんでいます。国連の調査によりますと、世界で年間300万人以上の子供たちが栄養失調で死亡しているという報告があります。
世界には十分な量の食糧が生産されているにもかかわらず、食糧不足は終わりの日の特色の1つとなっています。
1914年以後の破壊的な地震の年間平均発生率は、その年より前の2000年間と比べて20倍も高くなっています。
建物を損壊させ、地面に大きな亀裂を生じさせるほどの地震は、1914年以降、毎年平均18回起きています。
イエスの予告通りになっているということがわかります。
イエスはルカ21章11節で、「あちらこちらで流行病があります」とも予告しています。
第一次世界大戦の終わり頃、スペイン風邪による死者だけでも5000万人に上りました。
医学が進歩してきたにもかかわらず、今なお人類は皆、致死的な伝染病の蔓延を恐れながら生活しています。
最近ではWHOに報告された情報によると、全世界で約553万人の方が新型コロナウイルスによって亡くなりました。
日本でも約7万5000人の方が亡くなっています。
イエスが予告された通り、戦争、食糧不足、地震、疫病は私たちの時代に見られます。
イエスは、私たちの時代にあちこちで生じる恐ろしい光景を経験すること、人々は世界を襲う事柄に対する恐れと予想から気を失うことも述べておられます。
確かに、安心感が消え去った世界に私たちは生活しています。
しかしイエスの語られた言葉の中に動揺しないでくださいとありました。
問題の多いこの世界にあっても、動揺することのない安心感や穏やかさが確かに得られるとイエスは約束しておられます。
では、どこから本当の安心感が得られるでしょうか?
地震が起きた時のことをイメージできるでしょうか。もし皆さんが海の近くに住んでいたとしたらどうされますか?
津波から逃れるために、安全な高台に避難されるのではないでしょうか。
警報が出されたら、すぐに避難なさるに違いありません。
愛情深いお父さんエホバ神は、私たちにとって安全な安心できる避難所となってくださいます。
ヨハネ4章24節の中で「聖なる力と真理に導かれて」ご自分を崇拝する人々を保護すると約束してくださっているからです。
「エホバの名は強固な塔。
正しい人はその中に走り込んで保護される」。
(格言の書18:10)
「エホバの名は強固な塔」とあります。これは、神の固有の名前が幸運のお守りのようになるとか、神の名前を繰り返し唱えれば安心感が得られるという意味ではありません。
「正しい人はその中に走り込んで保護される」とあります。
エホバというお名前を持つ方について知り、その方に依り頼み、その方の義の基準に従って生きる人の安心できる避難所となってくださることを聖書は教えてくれています。
しかし時には、この体制が不安定であるために思い煩うこともあります。
その時に思い出したい聖書の言葉があります。
「何も心配せず,いつでも祈り,祈願を捧げ,
感謝しつつ,願いを神に知っていただくようにしましょう。
そうすれば,神からの平和が,
キリスト・イエスを通して皆さんの心と考えを守ります。
その平和は人間の理解をはるかに超えています」。
(フィリピ4:6,7)
祈ると神からの平和が私たちの心と考えを守るとあります。神からの平和とはなんでしょうか?
これはエホバ神との絆を持っている人だけが感じ取ることができる思いの平安や穏やかさを意味しています。
ですから、私たちが考えていることや感じていることを包み隠さずエホバに話すことができます。
そうすることによってエホバだけが与えてくれる安心感に包まれて心が穏やかになり、物事を穏やかに落ち着いて考えることができるようになることを聖書は教えてくれています。
日本では、9月1日が防災の日となっています。防災の意識を高めるために、過去に起きた災害から学んで、命を守るために何ができるか教訓を学ぶことができます。
イエス・キリストも1つの出来事を引きに出して、私たちに大切な教訓を教えてくださいました。
「人の子の臨在の時はちょうどノアの時代のようになります。
洪水前のその時代,ノアが箱船に入る日まで,
人々は食べたり飲んだり,結婚したりしていました。
そして,洪水が来て全ての人を流し去るまで注意しませんでした。
人の子の臨在の時もそのようになります」。
(マタイ24:37-39)
皆さんもノアの箱船の話を聞いたことがあるのではないでしょうか。ノアと7人の家族が世界規模の大洪水から命を守ることができました。
ノアの時代の人々は警告に注意しませんでしたが、ノアとその家族は神の警告に注意を払ったので箱船に入ることができました。
イエスはノアの時代に起きた出来事を、今の私たちの時代の警告の例として教えてくださっています。
「古代の世界を処罰しないでおくことはせず,
神を敬わない人々の世界に洪水をもたらしました。
ただし,正しいことの伝道者ノアを
ほかの7人と共に保護しました。
また,2つの町ソドムとゴモラを断罪し,焼き尽くして灰にし,
神を敬わない人たちが将来どうなるかを示しました」。
(ペテロ第二2:5,6)
暴虐に満ちた世界をご覧になって、エホバはその邪悪な世界を大洪水によって滅ぼされました。
ノアとその家族が神によって保護されたことがこの記述から学べます。
それはノアがまの神と共に歩んだからです。
そしてノアとその家族は、エホバに従って箱船を建造し、箱船というエホバが備えた安全な避難所の中に入り、そこにとどまったので救われました。
同様に私たちも、この問題の多い時代における安全で安心できる避難所、箱船とも言うべきエホバの備えを十分に活用しなければなりません。
現代におけるエホバの避難所とは何でしょうか?
それはエホバが1919年以来ご自分の崇拝者たちの間に作り上げてこられた、エホバを崇拝しエホバと仲間との平和な関係を楽しむことができる特別な関係のことを表しています。
聖書にも、この特別な環境のことが安全な避難所よく潤っている庭園と表現されてパラダイスという言葉が使われています。
このパラダイスにいる人たちは、この大変な終わりの時代にもエホバのおかげで安心できる穏やかな気持ちを味わうことができています。
現在、エホバに仕えている人たちは世界中にいます。
現在239の国や地域の881万6562人のエホバの証人が、11万8177の会衆で活動しています。
それでこのパラダイスにとどまるためには、世界中に広がるクリスチャン会衆に加わって、エホバとの絆を強め、感謝を深めることが必要です。
現在、エホバとの絆を強めるために様々な備えが設けられています。
聖書や出版物、webサイト jw.org 、毎週の集会、大会などを通して、この問題の多い世界においても前向きな見方が持てるよう助けています。
この中で、私たちはどのようにエホバに仕えるべきかについて、正しい情報をたくさん学ぶことができています。
エホバと共にエホバについて学び、エホバとの絆を強めることができています。
神の言葉聖書から学び、私たちの身の回りで起きている出来事の意味について本当のことを知ることができています。
愛する仲間と仲良く過ごすこともできます。
兄弟姉妹たちは、私たちが喜びつつ毎日の問題を忍耐できるよう助けてくれます。
このような安心できる場所は、エホバが備えてくださったクリスチャン会衆の中だけで得られる特別なものです。
現在生き残る見込みのある人々が、ハルマゲドンで最高潮に達する大患難を無事に切り抜けられるよう、 この箱船の中に入ってきています。
多くの新しい方々も、エホバの証人のクリスチャン会衆に入ってきています。
それでまず、エホバの証人の会衆と交わり、証人たちとの聖書レッスンを通して、パラダイスの基礎である聖書の知識を取り入れることを心からお勧めしたいと思います。t.co/REdyiKUiXa
そのようにしてエホバの家族の一員になって、そこにとどまり続けるよう、共に努力していきましょう。
ノアの時代の邪悪な世の中は、大洪水によって滅ぼされました。
同じようにハルマゲドンでは、この危険で邪悪な体制が滅ぼされることになります。
生き残った人々は、無事に清められた地に導きられます。
真の平和と安全の行き渡る文字通りのパラダイスで生活することになります。
私たちは、本当の安心安全が行き渡った世界で生活できることを心から待ち望んでいます。
間もなくイエスは人類を裁くためその栄光のうちに到来します。
その時、イエスは何を行われますか?
「人の子は栄光を帯びて,全ての天使と共に来ると,
その時,栄光の座に座ります。
全ての国の人々が彼の前に集められ,人の子は,
羊飼いが羊をヤギから分けるように,人々を分けます。
そして羊を自分の右に,ヤギを自分の左に置きます」。
(マタイ25:31-33)
羊をヤギから分ける、さらに自分の右に自分の左にという表現を使われたことからも、人々に対する裁きがはっきりしたものであることがわかります。
羊と表現されている人々、すなわち神から見て正しい人たちは、神の新しい世界で永遠の命を与えられます。
では、どうすれば神から見て正しい人として見いだしていただけるでしょうか?
その1つは、イエスについての証しの任務を与えられているキリストの兄弟たちを支援することです。
現在、聖なる力によって天に選ばれた忠実な奴隷は、世界中で行われている伝道活動の先頭に立っています。
それで王国の良い知らせをまだ聞いたことがない人にも力強く伝えることにいたしましょう。
間もなく聖書に予告されている通り大患難が生じます。
それで今すぐ安全で安心できるところに避難する必要があります。
これから起きることについて聖書は何を教えてくれていますか?
「エホバの日が夜に忍び込む泥棒のように来ることを,
皆さんはよく知っているからです。
人々は,『平和だ,安全だ!』と言っている時に,
突然滅ぼされることになります。
妊婦に起こる陣痛と同じように突然で,
彼らは決して逃れられません」。
(テサロニケ第一5:2,3)
ここに出てくるエホバの日は大患難を指しています。
平和だ安全だという宣言は、大患難が間もなく始まる合図となります。
しかしサタンによって惑わされたその人間の宣伝は、偽りであることが明らかになります。
それで私たちは、真の安心と安全をもたらすことができるエホバを信頼し続けていくことにいたしましょう。
エホバとの絆を強める備えを十分に活用して、エホバの備えた避難所に入って、そこにとどまり続けたいと思います。
問題の多い世界がリセットされるまでの間、この不完全な世における様々なストレスに対処したり、死に直面することもあるかもしれません。
そうであったとしても、エホバは私たちを見捨てることはありません。
忠実な人々は、たとえ命がなくなってしまったとしても、神の記憶の中で安全に守られて、定めの時に復活させられます。
今日、人々は世界情勢に恐怖感を抱いています。
しかし聖書で予告されていることの意味について正しく理解し注意を払うことによって、問題の多いこの世界にあっても安心感を抱くことができます。
それで王国の良いたよりに今答え応じ、命を守る行動を取る点で
手遅れにならないようにしたいと思います。
では問題の多いこの世界にあっても、エホバとの絆を通して得られる安心感をこれからも共に味わっていくことにいたしましょう。
裏付けとなる聖書の言葉は、
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