いつも正直でいる

人生の中では、誰かに初めて会って自己紹介をするということがよくあります。

そのような時は相手に良い印象を持ってもらいたいと思うので外見にも気を遣い、鏡を使って服装とか髪型などをチェックします。

もし、どこか良くない場所が見つかったらどうしますか?

きっとすぐにそこを直すと思います。

この外見と同じように大切なのは内面の特質です。

今日特に考えたいのは、そのうちの1つ正直さです。

この正直であるとは、嘘偽りがなく、ごまかしたり、人を騙したりしないということです。

これはとても大切なことです。

なぜならいつも正直でいることが、他の人との関係はもちろんエホバ神との関係にも大きな影響があるからです。

残念ながら私たちの周りには不祥事が多く見られます。

電話などの特殊詐欺に気をつけておられる方も多いと思います。

インターネット犯罪も私たちにとって大きな脅威となっています。

スマホを使うとき、ネットで買い物をするときなど、全てパスワードを使います。

それは不正直な人たちからの攻撃から自分を守るために、今や当たり前の行動となっています。

このように、不正直が当たり前となっている今の状況をどう思われるでしょうか?

聖書は、悪魔が今この世界を支配しているのがその原因であると説明しています。

その結果、不正直が見られるのが当たり前のこととなっているわけです。

しかし常に真実を語る神であるエホバは、嘘や偽りを憎まれます。

そのエホバを愛しエホバに仕える私たちもエホバと同じ考え方をします。

正直さに関しても同じです。

「私たちのために祈り続けてください。

私たちは,鋭敏な良心を持っていると信じており,

何事においても正直に行動したいと願っています」。

(ヘブライ13:18)

私たちが神を愛し仕えているのであれば、神と同じように正直さを大切にしていかなければなりません。

エホバの証人である私たちがエホバに見倣って正直であるならば、エホバについての良い印象というのは、どんどん広がっていきます。

具体的に何をしていく必要があるでしょうか?

まず、正直に自分を見つめることです。

不完全な私たちは、自分には特に悪いところはないと思う傾向があるようです。

「心はほかのどんなものよりも信用できず,必死になる。

誰がこれを知り得るだろうか」。

(エレミヤ17:9)

私たちの心は時々、間違っていると分かっている方向へ自分を進ませてしまうことがあります。

信用できない必死になる誰も知り得ない私たちの心は、自分には特に悪いところがないと言い聞かせながら、間違っている方向へ 自分を進ませてしまうことがあります。

その悪いところをそのままにしておくならば、いずれそれがもっと大きな問題へと深化していきます。

ですから、私たちは自分に正直である必要があります。

どのようにして、自分には特に悪いことがないと思ってしまう傾向を

避けることができるでしょうか?

「神よ,私の全てを探り,私の心を知ってください。

私を調べ,不安な気持ちを知ってください。

私に何か良くないところがないかどうかを見て,

永遠の命に導いてください」。

(詩編139:23,24)

私たちも同じ精神態度を培う必要があります。

私を調べ、正しい方向に導いてくださいという態度です。

たとえ私たちが自分を正当化したとしても、エホバは全てをご存知です。

私たちは皆、正しいことについても正しくないことについても、自分の行動についてエホバに言い開きをする必要があります。

それで私たちは、事あるごとにエホバに真剣に祈り、自分を調べ、何か良くないところがあると気づいたならば、それを謙遜に正していく必要があります。

ではどのように自分を調べることができるでしょうか?

「神の言葉を実践する人になってください。

聞くだけの人になってはなりません。

間違った考え方をして自分を欺いてはならないのです。

神の言葉を聞いても実践しない人は,鏡で自分の顔を見る人に例えることができます。

その人は自分を見ますが,そこを離れると,自分がどのような人かをすぐに忘れてしまいます。

しかし,自由をもたらす完全な律法をじっくり見て守る人は,聞いてすぐに忘れるのではなく,行動します。

そのような人は幸せになります」。

(ヤコブ1:22-25)

神の言葉である聖書は鏡のようです。

神の言葉を聞いて実践することは、鏡を見て自分を整えることに似ています。

神よ、私を調べてください。

こういう態度で聖書を見ると、あなたにどんな良いところがあり、どんな悪いところがあるかを明らかにします。

あなたの考え方とか話すこと、行動に関して調整の必要なところを映し出します。

これを見るだけで終わりにしてしまいますと、自分には特に悪いところがないと思ってしまう状態になります。

それで聞いて忘れるのではなくて、謙遜に自分を見つめ、必要に応じて見方とか行動を改めます。

これが自分に正直であるということです。

そのような人は幸せになります。

この点で何か助けが必要だと感じる時とか、重大な罪を犯してしまった時には、会衆の長老たちに相談し、助けてもらうことができます。

神の言葉聖書を用いてあなたを助けてくれることでしょう。

私たちは自分に正直である必要がありますが、家族とか他の人に対しても正直でなければなりません。

3つの分野をいくつかの場面から考えて、鏡のような神の言葉聖書を使って、正直に自分を見つめていくことにしましょう。

1つ目の分野は、家族みんなに正直であるということです。

「皆さんは偽りを捨て去ったのですから,隣人に真実を語りましょう。

私たちは皆で1つの体を構成しているのです。

…親切な人になり,温かい思いやりを示し合い,神がキリストによって寛大に許してくださったように,寛大に許し合いましょう」。

(エフェソス4:25,32)

真実を語りましょう、そして温かい思いやりを示し合い、寛大に許し合うようにと述べられています。

ですから、夫も妻も互いに隠し事をしてしまったり、嘘をついたりすることをせず、優しく親切にします。

夫婦の皆さん、いかがでしょうか?

配偶者に正直に接するということはとても大切です。

嘘をつくことはもちろんですが、自分の夫や妻以外の人の気を引こうとしたりとか、隠れて恋愛関係を持とうとしたり、ポルノを見たりするのも不誠実なことです。

この点で必要な調整をしていくならば、夫婦関係はさらに良くなり、信頼し合えて安心できます。

誘惑に抵抗して、それぞれ配偶者がいない時にも正直さを示し、結果、互いに信頼し合うことができて幸福です。

親は子供たちに嘘をついたり、人のものを盗んでしまうことがないように教えます。

子供たちと言葉の面でも行いの面でも、常に正直であることの大切さを考えます。

その点助けになるのは、聖書に出てくる良い例とか悪い例です。

聖書には盗みをしたアカン、お金をもらうために嘘をついたゲハジ、お金を盗んだり銀30枚でイエスを裏切ったユダなどの悪い例や、

エホバとの約束を守るために大きな犠牲を払ったエフタとその娘の良い例があります。

親はこうした聖書中の例を用いて、正直さの重要性を子供に教えることができます。

でも、単に言葉で子供を教えるだけでは不十分です。

「あなたは,ほかの人を教えていながら,

自分を教えないのですか。

『盗んではいけない』と伝えていながら,盗むのですか」。

(ローマ2:21)

親自身がいつも正直でいて、良い手本になる必要があります。

親の言っていることとやっていることが違うならば、子供はすぐに気づきそして戸惑います。

これは覚えておくべき大切な原則です。

親の立場ではなくても、他の人を教える機会がある私たち全ては、この言葉を自分のこととして当てはめることができます。

自分の家族とか研究生とかお孫さんに対しても、正直の良い手本を示す必要があるわけです。

正直な人は幸せになります。

子供はこのことを親とともに経験から学んでいきます。

2つ目の分野は、仲間のクリスチャンなど家族以外の人に対して正直でいるという点です。

「エホバが憎むもの…

うそばかり言う不正直な証人,

兄弟の間に口論を引き起こす者である」。

(格言の書6:16,19)

兄弟姉妹とのコミュニケーションというのは、私たちの力となるとても大切なものです。

しかし注意も必要です。

何気ない会話が悪い噂話になってしまうことがあるからです。

それが中傷になることさえあります。

悪気はないにしても不確かなことをそのまま伝えただけでも、人の評判を下げるような 嘘を広めることになってしまうかもしれません。

エホバはそれらも憎まれます。

発信する情報は一気に広がりそこに国境はありません。

ですから、私たちは本当に注意深くある必要があります。

ある人たちは、はっきりとした嘘は言わないにしても、何か言い逃れをしようとか、得をしようとして、事実とは違う印象を与えるようなことを言うかもしれません。

私たちはそのような一般の慣習とか風潮に巻き込まれてしまうことがないようにも気をつけましょう。

3つ目の分野は、仕事や商取引においても正直でいるということです。

「不正なはかりはエホバにとって忌まわしく,

正確な重りは神にとって喜びである」。

(格言の書11:1)

古代の取引でははかりがよく使われました。

商人の中には、商品を少なめに渡し多めの金額を払わせて客を騙すという人がいました。

現代でも不正がよく見られます。

偽装とか架空とか改ざんとか、ニュースでよく聞くワードとなっています。

ビジネスで成功するには、時にそうしたちょっと不正の混ざったような、そうしたことをしなければいけないという風に考える人もいますし、また正直者は損をするという言葉も昔からあります。

あなたはいかがですか?

仕事に関連したあなたの言動は正直でしょうか?

実際は、正直な人という評判こそが成功に大きく関係しているものです。

ある人たちは、仕事をしているはずの時間に仕事とは無関係なことをするかもしれません。

正直であるよう努力する人は、仕事の日にはその時間いっぱいきちんと給料に見合う働きをします。

正直な人というのは、他の人から尊敬され信頼されるものです。

そしてこの正直な人という評判は、神にとって喜びとなり、あなたを成功へと導くものです。

エホバはビジネスでの不正も嫌われます。

それでたとえ損失を被るように思えるとしても、約束を守るようにしましょう。

正直さを保ちましょう。

事務関係の人と話をしたり、何かの書類を提出したりする時にも、正直であるように心がけましょう。

私たちは毎日鏡を使って髪型とか服装などをチェックします。

もし具合が良くない場所が見つかったらどうしますか?

きっとすぐに整えます。

同じように私たちは、毎日鏡のような神の言葉聖書を読んで、内面の自分をチェックします。

もし、具合が良くない場所が見つかったらどうしますか?

すぐに整えます。

そのようにして、正直に自分を見つめ、家族や他の人たちにも正直にすることができます。

いつも正直でいる。これは決して簡単なことではありません。

しかしとても重要です。

正直さは、様々な良い事柄に繋がるからです。

私たちが正直でいるならば、後ろめたさがなくて爽やかな気持ちでいることができます。

他の人とも気持ちよく付き合っていけます。

夫婦関係はさらに良くなり、信頼し合い安心できます。

兄弟姉妹とも良い関係を保ち、喜びを保つことができます。

職場においても、他の人から尊敬されて、やりがいを持って働いていくことができます。

またあなたの良い評判は他の人を引き寄せ、聖書の教えについてもっと知りたいと思ってもらえるようになるかもしれません。

そして1番大きな益は、エホバとの良い関係を保っていくことができるということです。

「エホバは,欺く人をひどく嫌い,

正直な人たちを親しい友とするからである」。

(格言の書3:32)

エホバは正直な人を愛され友とされます。

これはただの知り合いではありません。親しい友です。

とても素晴らしいことではないでしょうか。

いつも正直であることは、あなたがエホバを愛し敬っていることの証拠です。

エホバはその努力を喜んでくださいます。

エホバとの良い関係をぜひさらに強く深くしていってください。

エホバは、ろくに流されない正直なあなたを必ず世話すると約束しておられます。

聖書の教えの通りにするなら、楽園でいつまでも幸せに暮らすことができると、決して嘘をつかないエホバが約束しておられます。

鏡のような神の言葉聖書を毎日読んで自分を調整し、いつも正直でいる努力を続けて続けていきましょう。