愛情深い親は子供のことを本当に心から愛おしく感じます。
そのため、その子を害となるものから守りたい助けたいという思いになります。
それで、その子のことを叱ったり褒めたりしてアドバイスを与えていきます。
愛情深い天のお父さんも同じです。
私たち人間はエホバに創造されましたから、いわばエホバの子供と言えます。
エホバは私たちのことも助けたい守りたいと思っています。
実際いつの時代でも、心から仕える多くの人々をエホバは守ってこられました。
そもそもエホバが人間を創造されたのはなぜでしょうか?
どのように歩むことを望んでいたのでしょうか?
それは楽園の地でエホバに仕え、従順に歩み、平和で喜びの多い日々を送ってほしい。そうした願いがありました。
でもノアの時代の人々はそれとはかけ離れていました。
不道徳や暴力といったエホバの基準に沿わない、多くの人たちが存在していました。この時代、エホバに仕えていたのはノアとその家族だけです。
ノアから見れば、それは毎日が苦難の日々だったかもしれません。
それでエホバは行動を起こします。
ノアとその家族を守るために箱船を造り、多くの人たちに警告を与えるようにという指示を与えました。
その指示に従うかどうか、それによって命を得られるかどうかが決まるのです。
結果はどうだったでしょうか。
残念なことに、ノアとその家族以外は全て洪水によって滅んでしまいました。
エホバの言われた通りにそうなったのです。
では、この記述から何がわかるでしょうか?
「正しい人の救いはエホバから来る。
神は苦難の時の彼らの要塞。
エホバは彼らを助け,救い出す。
悪人から助け出し,救ってくださる。
神のもとに避難したから」。
(詩編37:39,40)
エホバはご自分に頼る人々を守ってくださるということが分かります。
エホバは述べられたことを必ず実行され、その通りに果たされます。
有言実行される方と言えるのではないでしょうか。
こうした聖書の記述は、過去の出来事として終わるのではなく今の私たちにも関係する出来事だということをよく理解することができます。
ノアの出来事から数世紀後にロトという人物が登場してきます。
この時代の人々もノアと同じように暴力とか不道徳を行い神に従わない大勢の人たちがいました。
それでこの時も、エホバはこの街全体を滅ぼすことを決意し、今回は天使を使わし、ロトに家族を連れてすぐに逃げるようにという指示を与えました。
エホバは愛情深い方だということがわかります。ロトのことを本当に愛していたからです。
「生き延びるために逃げなさい!後ろを振り返ってはいけません。この地域のどこに立ち止まってもいけません。除き去られないよう,山地に逃げなさい!」と的確な指示を与えていたことがわかります。(創世記19:17)
結果はどうだったでしょうか?
エホバはロトたちが無事避難してから、ソドムの街に硫黄と火を降らせ、言葉通りにその街を滅ぼし尽くしたのです。
エホバに忠実に従ったロトとその娘たちだけが救われたのです。
このロトの記述から何がわかるでしょうか?
私たちの将来はどうなるのかも知ることができます。
「また,2つの町ソドムとゴモラを断罪し,焼き尽くして灰にし,神を敬わない人たちが将来どうなるかを示しました。
そして,不法な人々の恥知らずな行いに非常に苦しんでいた,正しい人ロトを救い出しました。
(この正しい人は日々,同じ町に住む人々の不法な行いを見聞きして,苦悩していました。)
ですからエホバは,神への専心を示す人々をどのように試練から救い出すかを知っています。
また,正しくない人々を処罰の日にどのように確実に滅ぼすかも知っています」。
(ペテロ二2:6-9)
この言葉から神に従う者と従わなかった者の将来について知ることができます。
神に従わなかった人々は滅びることがわかります。
それとは逆に従った人々は試練があったとしても救い出されることがわかります。
これから起きる事柄は私たちに大いに関係する事柄です。
このようにもエホバは約束されています。
「そして,王国の良い知らせは,全ての国の人々が聞けるように世界中で伝えられます。それから終わりが来ます」。
(マタイ24:14)
今世界中で、神が救ってくださるという本当に素晴らしい良い知らせが熱心に伝えられています。
エホバは全ての人、良い知らせに関心を示す人もそうでない人にも平等に分け隔てなくこの音信を伝えています。
耳を傾けるかどうかはその人次第だということが分かります。
間違いなく苦難が私たちに生じます。
では、その苦難から私たちが救われるために何をすることができるでしょうか?
その点を考えてみましょう。
まず、この苦難が生じるきっかけはなんでしょうか?
エホバは預言者ダニエルを通して、今の悪い世界が終わる前に生じる事柄について次のように述べていました。
「その時,あなたの民のために立っている偉大な長ミカエルが行動を起こします。
そして,国が始まってからその時まで生じたことがない苦難の時が来ます。
その時,あなたの民,書に記されている人は皆,逃れます」。
(ダニエル12:1)
ミカエルが行動を起こすとあります。
ミカエルとは誰でしょうか?
これは復活したイエス・キリストのことを述べています。
なぜ行動を起こすのでしょうか?
その後の文面では、 国が始まってからその時まで生じたことがない「苦難の時」が来るからです。
この苦難の時についてマタイ24章21節によれば、「世界の始めから今まで起きたことがなく,いえ,二度と起きないような大患難がある」と描写されています。
今まで起きたことがない2度と起きないとありますから、これが最初で最後であることがわかります。
これは終わりの日に生じる事柄だと理解することができるのではないでしょうか。
では、何がきっかけでそれが始まるのでしょうか?
「女の額には謎めいた名が書かれていた。
『娼婦たちと地上の極めて不快なものの母,大いなるバビロン』という名である。
…そして,あなたが見た10本の角と野獣は,娼婦を憎み,破滅させて裸にし,彼女の肉を食い尽くし,彼女を火で焼き尽くします。
神が,ご自分の考えを彼らの心に入れて実行させたからです。
神の言葉が成し遂げられるまで,彼らが自分たちの王国を野獣に与えて,自分たちの1つの考えを実行するようにしたのです」。
(啓示17:5,16,17)
大いなるバビロンとは何でしょうか?
これは間違ったことを教えている宗教全てのことを指しています。
10本の角は何を表しているでしょうか?
これは、その野獣を支持する政府全てを表しています。そして、その野獣は国際連合を意味しています。
野獣である国際連合が、政治勢力を用いて大いなるバビロンである間違ったことを教えている宗教全てに対して攻撃を仕掛けることがわかります。
そしてこれは17節にあるように、エホバが間違った宗教全てを壊滅させるというご自分の考えを野獣である国際連合の心に入れて入れたので実行されるのです。
これは地球全体で生じる事柄です。
それによって大患難、世界的な苦難の時が始まることになります。
今現在そのような兆候は全く見られていません。
でも、この預言も必ず実行されます。エホバはそう約束されているからです。
不安に感じるでしょうか?
大丈夫です。
ダニエル12章1節の最後の方には何と書かれていたでしょうか?
「あなたの民」これはエホバに今忠実に仕えている人々のことを指しますが、その人たちは逃れることができるとエホバは約束しておられるのです。
では、救われるために何をすることができるでしょうか?
エホバがまずどのような方なのかを知る必要があります。
聖書を通して私たちにどんな指示を与えているのかも知り、それに伴って行動することも大切です。
そのためにも、聖書や出版物を定期的に取り入れることが必要です。
こうした集会や、定期的に行われる大会を通してもエホバは指示を与えていますから、従順に従っていくことが必要です。時にはそうした指示に難しさを感じることがあるかもしれません。
でも、これだけは覚えておきましょう。
組織を通して与えられる指示は人間の考えによるものではなく、エホバが聖なる力を通して与えているものであることを、私たちはよく理解しておく必要があります。
悪い人々を滅ぼす方法を当時のノアやロトはすぐに理解することができたでしょうか?
もしかすると、本当にそれはそうなるのだろうかと少し不安になったかもしれません。
でも、実際にその言葉通りになりました。
過去の出来事から私たちはエホバはその通りにされるということを理解することができるのではないでしょうか。
ですから、先ほど読んだ言葉も必ずそうなるということを私たちは理解することができます。
私たちのエホバに対する信仰が試される時だということもよく覚えておきましょう。
苦難の時は、ハルマゲドンの戦いによってクライマックスを迎えます。
ミカエルであるイエスが実際に行動し、戦ってくださいます。(ダニエル12:1)
イエスはエホバの主要な刑執行者として、予告された大患難の間に、邪悪な体制全てを終わりへと導いてくださいます。
世界各地で生じている悪いこと、理不尽なものは全てこの時に無くなります。
そして、エホバに仕えている人だけが新しくなった世界で暮らせるようになるのです。
では、私たちが救われるために他に何を行うことができるでしょうか?
ダニエル12章1節で「書に記されている」と書かれています。
自分の名前が書に記される必要があります。
この書とは、ご意思を行う人々に関するエホバの記憶です。つまりエホバに覚えて知っていただく必要があるということです。この書つまりエホバの記憶に残されている人々を、神は保護してくださると約束しておられるからです。
私たちが最後までエホバの側につき離れないでいるならば、エホバは私たちのことを忘れたり見捨てたりはされません。
なぜなら愛情深い父親だからです。
たとえこの先様々な試練や問題に直面したとしても、私たちがこのエホバの望むことを行い続けているないるならば、エホバは何らかの方法で、その時々に合った仕方で必ず助けてくださいます。
愛の手を差し伸べてくださるのです。
では、エホバはイエスを用いて行動される日は、いつ、どのように生じるのでしょうか?
「しかし,エホバの日は泥棒のように来ます。
その時,天はごう音を立てて消え去り,さまざまな要素は極度に熱くなって溶解し,地とそこでの活動はすっかり暴かれます。
これらのものは全てこのように溶解するのですから,自分がどんな人になるべきかを考えてください。
聖なる振る舞いをし,神への専心を行動に表し,エホバの日が来るのを待ち望み,それについていつも考えましょう。
その日に天は燃えて滅び,さまざまな要素は極度の熱で溶けます。
しかし,私たちが神の約束によって待ち望んでいる,新しい天と新しい地があります。
そこには正しいことが行き渡ります」。
(ペテロ二3:10-13)
泥棒はどのように来るでしょうか?人がいない時間帯とか寝静まった時間帯とか留守の時、泥棒にとって都合の良いタイミングで来るのではないでしょうか。
ですから、エホバの日も突然に始まって瞬く間に過ぎ去ることが分かります。
きっと多くの人たちは、何が起きているのかも分からない状態のままに終わりを迎えることでしょう。過去のソドムとゴモラの街の人々のようにです。
エホバの日がいつ来るのかはっきりとわかりわかりませんが、常に用意しておく必要があります。
泥棒対策をするときには、鍵をしたり防犯対策をしっかりとするのではないでしょうか。
私たちも対策をする必要があります。それは、エホバとの絆を強固なものとすることです。
どのようにしてそうすることができるでしょうか?
「聖なる振る舞いをし,神への専心を行動に表し,エホバの日が来るのを待ち望み,それについていつも考えましょう」とあります。(ペテロ二3:11,12)
エホバに喜ばれることを行い続けることが必要であることがわかります。
どうすることができるでしょうか?
1つ目に、聖書を学ぶことが必要です。
時間を取ってよく研究し、学んだことを他の人にも伝えることが必要です。
マタイ28章19、20節の中では、「全ての国の人々を弟子としなさい」とあります。ですから、定期的に時間を買い取って聖書を学び、奉仕活動にも参加することが必要であることがわかります。
2つ目に、神との絆を大切にした考え方や行動をいつも意識します。
エホバは「心を調べ、清い心を喜ばれる」と書かれています。(歴代第一29:17)ですから私たちは、道徳的にも清い状態を保つこと、世の影響に染まらないように気をつける必要があります。
過去のものに目を向けるのではなく、まっすぐ前を見てエホバの道を進んでいきたいと思います。過去の悪いものには影響されないようにしましょう。
3つ目は、よく祈るということです。
思っていること、不安に感じていること、悩んでいること、何かすぐに決定をしなければならないことがある時、いつでもエホバに頼って祈るようにしましょう。
いつでもエホバに祈るようにすれば、心と考えを守ってくださると書かれています。(フィリピ4:6,7)
いつでもエホバに頼って祈って近づきたいと思います。
4つ目は、集会に定期的に出席するということです。
定められた日が近づいているので、仲間に対して「愛を表し立派な行いをするよう」にするよう励まし合うことを続けましょう。(ヘブライ10:24,25)
初めて来た方に親切に案内しにこやかに対応し、年配の姉妹にしゃがんで声をかけ小さいお子さんに声をかけ歓迎してる様子も見られます。
こうした王国会館に集まり合うことは、本当に私たちにとって益となります。
心が温かくなるのではないでしょうか。
間もなく、人類を苦しめている全ての問題は完全になくなります。
「神は人々の目から全ての涙を拭い去ります。
もはや死はなくなり,悲しみも嘆きも苦痛もなくなります。
以前のものは過ぎ去ったのです」。
そして,王座に座っている方が,「見なさい! 私は全てのものを新しくしている」と言い,さらにこう言った。
「書きなさい。これらの言葉は信頼でき,真実である」。
(啓示21:4,5)
将来を本当に待ち遠しく感じるのではないでしょうか。
是非、エホバの言葉に従って行動していきたいと思います。
愛情深い天のお父さんは私たちのことを本当に愛しておられ、私たちに将来幸せになってほしいという思いから、聖書を通して私たちが今何をすべきかを教え的確なアドバイスも与えてくださっています。
苦難の時は必ず生じます。
それまで多くの困難を経験するかもしれませんが、今起きていることに目を向けるのではなく、将来果たしてくださるエホバの約束に思いを向けていきたいと思います。
新しい世界での暮らしに目を向け、それを思い描きながら、共に聖書を学び続けていきたいと思います。
間もなくこの言葉は本当に実現しますので、引き続き私たちはエホバから離れず、エホバの側にとどまり、共に歩んでまいりましょう。
裏付けとなる聖書の言葉は、
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