皆さんはリスキーシフトという言葉をご存じでしょうか。
これは、 普段は慎重に判断をし節度ある行動を取れる人が、集団になることで極端な方向へと 向かいやすくなる現象のことを言います。
交通量の多い横断歩道の信号は赤です。一般常識的には渡らないでしょう。でも、目の前で多くの人がそこをわたわっています。それを見ていると、だんだんとそれが正しいこと、みんなが渡ってるんで大丈夫という思いになっていきます。つまり、危険度の高い意思決定が容易になされてしまうということです。
周りに合わせることによって何か安心感が得られるからかもしれません。今、世の中ではこうした傾向が多く見られています。
同じ考えを持つ者同士が集まって行動しています。それ故に、意見が異なるもの同士が対立すると、そのような中で正しい生き方・行動を取るというのは本当に勇気がいりますが、実際にそのようにしている多くの人たちがいます。
それは、エホバの証人です。
昨年2022年の統計ですが、世界人口は80億人と言われています。その中でエホバの証人の数は 869万9048人です。そして、聖書を学び神に献身しバプテスマを受けた人の数が 145,552人となっていました。https://www.jw.org/finder?wtlocale=J&docid=1102022816&srcid=share
その人たちは、聖書の教えを学び、そして実際に行動しています。それはすなわち、世の中の考えを取り入れるのではなく、聖書の教え、エホバのお考えを取り入れて、 望むことを行う、エホバのために生きるという選択をした人たちです。
このような生き方は、世の中から見れば愚かと思われるかもしれませんが、私たちまたエホバにとっては最善の生き方、喜ばしい生き方と言えます。
そのような生き方をするのに不安を感じるでしょうか。大丈夫です。私たちのために多くの手本を示してくださったイエスは、聖書の中で世を征服したと断言しているからです。
この世を征服したとはどういう意味でしょうか。そのことと私たちとはどんな関係があるのでしょうか。
イエスが人間としてどのように生活していたかを知ると、世を征服したとはどういう意味かを知ることができます。
亡くなる前の晩に、イエスは自分がいなくなることと迫害について話し「これらのことを言ったのは,あなたたちが私によって平和な気持ちになるためです。あなたたちは世で苦難に遭いますが,勇気を出しなさい! 私は世を征服したのです」と述べました。(ヨハネ16:33)
ここに出てくる「世」とは何でしょうか。
これはイエスとイエスに忠実に仕えていた本当のクリスチャンに反対する人間社会、イエスの教えつまりエ神のご意志に反する考え、行動を行う社会のことを指しています。
この人間社会をコントロールしているのは、世の支配者であるサタンです。サタンの考えは今も昔も同じです。
私たちをエホバの側から引き離そうとして、エホバの側に立場を置かないようにするため、 様々な手段や方法を用いて私たちに攻撃してきます。
でも「私によって平和な気持ちになる」と書かれています。イエスと結びついていれば、たとえそうした問題が生じたとしても、 耐える力や乗り越える力また心の穏やかさが得られると述べています。 神に喜ばれる生き方ができるということです。
イエスも地球で人間として生活していた時、サタンから色々な誘惑に遭いました。
ある時、一度きりの崇拝行為と引き換えに世界のすべての王国を与えようと、サタンはイエスに対して述べました。それに対しイエスは「 あなたがす崇拝すべきなのはエホバ神であり、この方だけに神聖な奉仕をしなければならない」述べて、きっぱりとそれを退けました。見向きももしていません。初めからそうしたものを視野には入れていないのです。 (ルカ4:5-8)イエスが人間として生活していた間、決して世の人々の態度に染まることはありませんでした。
亡くなる直前イエスは杭にかけられました。それは不当な仕打ちで、多くの人に誤解され見下げられ、苦しめられました。
イエスは様々な試練がありましたが、妥協したり仕返しをすることはしませんでした。
全てを正しい裁く方エホバに委ねたのです。 (ペテロ一2:25)
そうできたのは、エホバだけを崇拝するという揺るぎない思いを持ち、エホバを心から愛し信頼していたからです。
エホバへの崇拝や正しい行動のゆえに、多くの圧力を受けても決して妥協することはありませんでした。
正しい神の基準を避けるということも、周りの影響に流されエホバからのメッセージを 曖昧にするっていうこともしませんでした。
例えば多くの人たちは、意見が合わなければすぐに離婚するという傾向にありましたが、イエスは離婚が許されるのは、夫婦の一方が性的不道徳を犯した場合だけであるという神の基準を、 間違って教えられた人々や知らない多くの人たちに伝えたのです。
またいつの時代もそうですが、多くの宗教がこの当時も存在し、自分の都合の良いように解釈をして、多くの人たちに伝える際に神の言葉を平衡の欠けた仕方で教え、その理解は本来の教えとは程遠いものでした。
イエスは間違った教えについても勇敢に立ち向かい、それを正していきました。(マタイ23:23-28)イエスの取った周りの影響に左右されない終始一貫した態度は、私たちが見倣うべきものと言えます。
地上にいた間ずっと神に仕えその教えを守り忠誠を保つことにより、イエスは世を征服することができました。
イエスとともに 行動した弟子たちも、そのイエスの多くの模範から勇気を持つことができました。それ故に周りの影響に左右されることなく、神エホバに喜ばれる生き方をすることができました。
イエスやまた弟子たちの模範、 そこから世の誘惑や悪い影響に打ち勝った記述を読むと、現代の私たちもエホバに喜ばれる生き方ができると確信でき、私たちはそこから多くの勇気を得ることができます。
では、イエスの模範にどのように倣うことができるでしょうか?
1つとして、イエスは人間の偏った考え方ではなく、エホバの知恵に信頼を置いていました。私たちも同じように、エホバの知恵が載せられている聖書に信頼を置くことができます。
2つ目は、いつでもエホバの心を喜ばせる良い判断、良い行動を取るということです。 周りの人が無関心でも反対しても、エホバの心を喜ばせる決意を弱めてはなりません。身内からの圧力っていうものは思ってる以上に辛く、厳しいものです。それでも 私たちは人間ではなくエホバに信頼を置き、揺らぐことのない立場を定めていきたいと思います。
「悪に征服されてはなりません。善によって悪を征服し続けましょう」。 (ローマ12:21)この世の支配者であるサタンは様々なものを用いて、私たちのエホバに対する思いを弱めさせようとしています。 仲間を用いたり、家族を用いたりし、信仰を弱めようとさせします。正しいことを行っているために圧力を受けるとしても私たちが闘い続ければ、 世の中の間違った考え世の精神に勝つことはできるのです。
イエスは今も実際に行動され、世の征服を推し進めています。聖書によると、イエスは1914年から征服を開始し、今なお実際に行動されています。(啓示6:2)
イエスは今、どのように世を征服しているでしょうか?
「私の羊は私の声を聞きます。私は彼らを知っており、彼らは私についてきます。 私は彼らに永遠の命を与え、彼らは決して滅ぼされません。私の手から彼らを奪うものはいません」。(ヨハネ10:27,28)
羊は、羊飼いがいないと迷ったり散り散りになったりし、そこで命を奪われてしまう状況になります。でも羊飼いがいれば、その声を聞き分け従い、忠実に行動することができます。 同じように、立派な羊飼いであるイエスは今、私たちをこの世の考え方、世の精神からの影響に耐えられるようにクリスチャン会衆に導き、そこで聖書を通して明確な指示を与え保護してくださっています!その声に聞き従う人たちに対し、イエスは永遠の命を与える、滅ぼされないと保証しているのです。
今、869万9048人ものエホバの証人がいて、聖書を通してエホバやイエスの教えに耳を傾けており、その数は年々増加する一方です。それだけではなく、様々な反対や圧力があっても、王国の音信は世界中で宣べ伝えられ、 日々それは拡大しています。
そのことを考えてみても、間違いなくイエスは世を征服し続けているということがわかるのではないでしょうか。世の支配者であるサタンは、それを止めることはできません。
イエスはこの世の支配者サタンのことを、私に対して何の力もないと断言しているからです。 (ヨハネ14:30)
今、イエスが実践に行動され世を征服してくださっているおかげで、私たちは日々の生活の中で何か問題が生じたとしても、 それを耐えることができます。イエスがいつもそばにいて、支えてくださっているからです。
周りの圧力などに恐れることなく歩み続け、イエスの教えに従い、妥協することなく聖書の教えに確信を持って従い、そして実際に行動するならば、イエスは世からの反対や今ある問題を乗り越えられるように助けてくださいます。
間もなくイエスがこの世を完全に征服する時が来ます。まず、どのようにされるのでしょうか?
「10人の王は1つの考えを抱き,自分たちの力と権威を野獣に与えます。 彼らは子羊と戦いますが,子羊は主の中の主,王の中の王ですから,彼らを征服します。子羊と共にいる者たち,招かれ,選ばれた忠実な者たちも,征服します」。(啓示17:12-14)
野獣とは、世界の諸国家を一致させその代表となっている国際連合です。 人間の政府は自分たちの力と権威を国際連合に与え、つまり手を組み一時的に支配することになります。 そして、エホバの組織に攻撃を仕掛けてきますが、それは成功することはありません。なぜなら、イエスが人間の政府全てを征服するからです。
どのように征服するのでしょうか?
イエスは忠実で真実な方で、正しく裁き、正義のために戦うと描写されています。(啓示19:11)天使たちもイエスとともに戦うと述べられています。(19:17,18)
そして、野獣と人間の政府全てはイエスと戦うために集まったと19章19節にはありますが、イエスに勝つことはないのです。
イエスの後に従い、邪悪な人たちを滅ぼす手伝いをしている天使たちは 最後まで忠実を保ったクリスチャンで、復活した14万4000人の人たちです。彼らもイエスとともにこのハルマゲドンの戦いに加わり、 そして人間の政府とそれを支持する人々を除き、征服するために実際に行動します。 (啓示17:14)その時、この世の支配者であるサタンは底知れぬ深みに投げ込まれ、1000年間の間活動できないようにされます。
私たちはこの戦いの時どうするのでしょうか?
「あなたたちが戦う必要はない。しっかり立ち,じっととどまって,あなたたちのためのエホバの救いを見なさい。…恐れたりおびえたりしてはならない。明日,彼らに向かっていきなさい。 私エホバがあなたたちと共にいる」。(歴代第二20:17)
私たちはこの戦いには参加することはありません。明るい方向へと歩み続け後ろのものは過去のものとなるのです。エホバがイエスを用いて征服してくださっているおかげで、私たちは今ある問題全てと、その影響力から自由にされ、将来には楽園となる地球で永遠に生き続けることができるのです。
イエスはどのように征服したでしょうか。世の誘惑や影響力に決して 屈することはありませんでした。サタンからの誘惑をきっぱりと跳ね退け、侮辱されても仕返しすることは決してしませんでした。エホバへの崇拝の面でも、 正しい基準を下げることはしませんでした。地上にいた間ずっと神に仕え、忠誠を保つことによって世を征服することができました。
現代では、クリスチャン会衆というエホバの組織を通して、私たちを助け守っておられます。
世の影響に対処できるように、様々な知恵や知識を与えてくださっています。その指示に従う人々は 年々増加していて、そうした指示に従い続ける人は、世の影響に屈することはありません。
なぜなら常にイエスやエホバはそばにいてくださり、支えてくださっているからです。
この世の支配者であるサタンは巧みです。様々なものを用いて私たちをエホバの側から引き離そうと躍起になっています。
私たちは、世の中の間違った考え方に影響されないように注意していく必要があります。
私たち自身が イエスの指示に従って実際に行動するとき、私たちもイエスのように世を征服することができます。
イエスの勇気に倣い、エホバに仕えるというはっきりとした態度を取ることにいたしましょう。
「私が命令した事柄全てを守るように教えなさい。私は体制の終結までいつの日もあなたたちと共にいるのです」と約束をしてくださっています。
(マタイ28:20)
間もなく、今の体制は終わりを迎えます。イエスがすでに行動されているからです。
今私たちは、イエスの側に付くというはっきりとした態度を取るべきです。
イエスが世を征服する王であるということを確信し、聖書の教えに従いそして行動してまいりましょう。